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千分の一話噺

第72章 内戦


俺には生き別れた兄がいる。

幼かった頃、国は内戦が始まり混沌としていた。
俺達の故郷にも戦火が広がり、家と両親を亡くした。
俺達兄弟は必死に逃げているうちに別れ別れになってしまう。
俺は運良く、反乱組織に保護され事なきを得た。
兄は生きているのかさえ分からなかった。

数年後、俺は反乱組織の戦士として政府軍と戦った。
国民の圧倒的な支持を得て、内戦は反乱組織の勝利で終結した。

これで平和な国になる。
やっと兄を探す事が出来る。

俺は故郷に戻り、兄を探した。
変わり果てた街は、知り合いも少なかった。
俺達を覚えていた人に聞いても兄を見かけた事はないと言う。
諦めかけていた時に一本の電話が入った。
反乱組織の仲間から、政府軍の資料に兄の情報があると…。
俺はすぐさま仲間の元に向かった。


軍の機密資料の中に兄の名前を見つけた。
「実験体!?どういう事だ!」
その資料は、A.I.チップを脳に埋め込んだ人間兵器製造に関する物だった。


end
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