第715章 百年後の世界情勢
2124年元旦。
世界は未だに人種や宗教の壁を越えられず、国連は大国が脱退し機能せず、戦争や紛争が絶えない。
中国とロシアと北朝鮮が三国同盟を結び、ヨーロッパやトルコ、インド周辺では緊張が増している。
日本は辛うじて戦争の当事者にはなっていないが、アメリカの同盟国であるため一触即発の状況が続いている。
自衛隊も防衛軍と名称を変え、軍備を拡大していった。
防衛の為なら先制攻撃も出来る法案も通った。
「あれ?肉まんは?」
コンビニから中華まんが消えた。
「…大将、店名変えたの?」
ラーメン屋や中華料理屋の看板が軒並み変わった。
政府は中国やロシアを連想させる名称の禁止を発表した。
もちろん在日中国人やロシア人、朝鮮人などの監視も開始された。
政治家はいつの時代も時代錯誤な政策をする。
まるで第二次大戦時の日本に戻ったかのようだ。
そして…。
「うわぁっ!遂に年賀状が来たよ…」
21世紀初めをピークに人口は減少、それはそのまま兵士の減少となり、徴兵制度が導入された。
そして、国から年賀状として召集令状が送られる様になった。
俺はすぐに会社の上司に連絡し、召集された事を告げる。
「そうか…1ヶ月以内に出頭しないと逮捕されるからな
会社は俺の方で手続きするよ」
徴兵は五年、すぐに出兵出来る様に全寮制で拘束される。
会社はもちろん、アパートも引き払わなくてはならない。
召集令状を見せれば引っ越し等は無料となる。
「後は生命保険か…」
これは強制じゃないが、ほとんどの人が家族の受け取りで入る。
戦死でも下りる保険が出来たから…。
end