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千分の一話噺

第701章 異世界アパート 29


今年もハロウィンがやってきた。
繁華街は仮装で溢れ賑わっている。

「異世界《あっち》はいつもハロウィンみたいなもんだからなぁ~」
仮装じゃない本物の獣人や魔法使いを見てるから、大人が仮装してるのは幼稚に見えてしまう。
「う~ん、やっぱり異世界《むこう》に行こう」

窓の外はもう雪が降っていた。
「寒っ!日本はまだ秋桜が咲いてるのに…
グランロールスは長い冬に入ったのね」
コートを羽織って外に出て初雪を楽しんだ。
「あっ、そうだ…」
隣のナタリーを訪ねる。
「…アヤコ?どうしたの?」
「女子会やろ?」
「…女子会って?」
ナタリーは首を傾げた。

ナタリーを連れて、店に行きカタリナも誘って街中のお洒落なレストランに行った。
「…あら?…アヤコ?
それにナタリーとカタリナも?どうしたの?」
レストランには魔法使いのローズさんが来ていた。
「…ローズさん?久しぶりですね」
「どうせなら一緒にどう?」
せっかくのお誘いなのでローズさんも一緒に女子会をすることにした。

「ねぇアヤコ、女子会ってなんなの?」
ナタリーが首を傾げる。
「そのまんまよ、女子だけで集まって食事や飲んだりしながら色々話すのよ」
「ふ~ん、確かに男がいると話せない事もあるね」
カタリナが納得した。
「それは、まるで『天使のお茶会』だな」
ローズさんが聞き慣れない事を言った。
「…天使のお茶会?何ですか、それ?」
「天使と言うと良い者と思われがちだけど、天使は神に歯向かう者は悪魔であろうと人間であろうと排除する連中なのよ
だから、『天使のお茶会』は誰にも聞かれちゃいけない話をしてるの…」
「なるほど…って、私達はそんな悪い話はしないですよ!」
この世界の天使は怖いらしい。


end

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