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千分の一話噺

第689章 お盆は田舎で…


今日の準備万端だ。
「よし!行くぞ~!」
家族揃ってのお盆休み帰省。

「父さん、渋滞しないわよね?」
今も美しい母さん。
「え~っ!渋滞ヤダ!」
9歳になる長男。
「私も!」
12歳の長女。
「一応渋滞情報は見たけど、実際には行ってみないとね」
そして、私の四人家族だ。

田舎と言っても車で三時間程度の海沿いの小さな町…。
観光地じゃないが、そこに行くまでの高速道路は渋滞する可能性がある。

最近の渋滞情報はけっこう正確で、日にちや時間をずらして移動したら、さほど渋滞せずに帰省出来た。
「じいちゃん!ばあちゃん!遊びに来たよ!」
長男が一番に駆け込んだ。
「お邪魔します…
今年もお世話になります」
母さんが挨拶をした。
「おばあちゃん、おじいちゃん、お世話になります」
長女は母さんの真似をする。
「よう来た、よう来た」
親父は孫の顔を見て破顔する。
「明日は海行くんやろ?
お弁当作らんとね」
おふくろが張り切る。

翌日、朝から海に繰り出す。
「母さん!そのハイレグ、超似合ってるよ!」
母さんの水着姿に釘付けだ。
「父さん、キモい…」
長女に白い目で見られた。
「早くスイカ割りやろう!」
長男はスイカを持ってはしゃいでいる。
「はいはい、先にお墓参りするわよ」
母さんはお花と線香を準備する。

うちの墓は海岸のすぐ側にあり、いつも水着のままお墓参りして、そのまま海で遊ぶ事にしている。


end
 

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