第682章 信じてなくても救われる?
『今日の占い、最下位は…
かに座の人です
人間関係で大きな亀裂が…
でも、ソフトクリームを食べれば大丈夫!』
朝のテレビの占いで私は最下位だった。
「ソフトクリームねぇ…」
今日は夏祭りだし、ソフトクリームも売ってるかも知れないけど、お祭りと言えばかき氷よね。
仕事中、人間関係は別におかしくはならなかった。
「まあ、占いなんてそんなものよね」
元々、悪い占いは気に止めて注意するくらいにしか思ってない。
…で、今夜は彼とお祭りデート。
浴衣を着るのに時間が掛かって、待ち合わせにちょっと遅れた。
「ごめん、待った?」
「遅いよ!」
さすがに30分も遅れたら怒るよね。
気まずいまま、神社に向かった。
神社に着くまでお互い一言も話さなかった。
このままじゃ嫌われちゃうかも…。
神社は屋台が並んで賑やかだった。
彼の機嫌が直りそうなものを探した。
「ね、ねぇ…かき氷食べない?」
「俺は…ソフトクリームが良い…」
地元のカフェがやってる屋台でソフトクリームを買った。
「…う、美味い!」
「うん!美味しいね!」
良かった、機嫌が直ったみたい。
その後は金魚すくいや射的を楽しみ、最後の花火では…。
「…花火、綺麗ね」
「あぁ…、その…、浴衣も綺麗で…似合ってるよ」
彼は照れながら私の手を握った。
テレビの占いも当たる事があるのね。
end