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千分の一話噺

第678章 雨の日の午後に気をつけろ!


あの日もこんな雨が降っていた…。

俺達はある事件の容疑者を追っていた。
「そこまでだっ!手を頭の後ろに回しひざま付け!」
銃を構え警告する。
「わ、わかった!撃たないでくれ!」
容疑者は観念した様だ。

「ほらは、キリキリ歩け!」
容疑者を応援に来た警官隊に引渡し、俺達は本署に引き上げる事にした。

「なんとか逮捕出来たな…」
「こんな雨の中、逃げ回りやがって…」
「まったく、なんで俺達はこうツいてないんだ?」
「…日頃の行いだろ?…お前の」
相棒の片桐が無表情で応える。
「俺のせいかよっ!梅雨だからだろ!?」
「…お前、今日も遅刻しただろ?」
何も言い返せなかった。

俺達が追っているのは違法薬物を扱う犯罪組織『ダークソウルズ』、さっき逮捕したのはその組織の下っ端の売人だ。
「下っ端ばかり捕まえてもラチが明かないぜ」
俺は拳を手のひらに叩き付けた。
「売人じゃあ、組織の上の方は何も知らされてないからな…
何にせよ、この組織は情報が無さすぎる」
片桐は首を横に振る。


そして、数日後の暑い日だった。
「…梅雨の合間のなんとやらか?夏だぜ、これじゃあ…
本当にこんな住宅地の中にあるのかよ?」
「…奴も聞いただけだって言ってたからな」
この前捕まえた売人が取り調べでアジトを場所を吐いたので、捜査班総出で辺りを調べていた。
「とにかく場所を特定して…ん?あいつは…」
片桐が何かに気付いてスマホの画像を確認した。
「…売人の情報にあった男だ」
「ってことは、あそこがアジトか?」
見た目は何の変哲もない住宅だ。

捜査班を集め、周りを取り囲んでから踏み込む。
「警察だ!全員動くなっ!!」
中にいた十数人を一網打尽にし、大量の違法薬物を押収した。
しかし、これは奴らの一角に過ぎない。
俺達の捜査はまだまだ続く。


end

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