第669章 夢は夢では終わらせない!
「俺の辞書に不可能なんてないんだ!!」
そう啖呵を切った以上、簡単に諦める訳にはいかない。
しかし、なかなか上手くいかず頭が痛い所だ。
「う~ん…気分転換するか…」
俺は考えに詰まると車でドライブに出掛ける。
近くの峠道を走ると頭のモヤモヤが吹き飛び気分爽快だ。
「陽気も良いし気持ち良い!」
車はガソリンを燃料とした内燃機関、すなわちエンジンを動力としタイヤを回し走らせる。
「あぁ…エンジン使ったら簡単に出来るんだけどな…」
と、俺は車を走らせながら思った。
俺が作ろうとしているのは『空飛ぶ自転車』!
ドローンのように自転車の周りにプロペラを取り付け、それをペダルを漕いで回し空を飛ぼうと考えている。
車体を出来るだけ軽くして、自分も減量して、ギア比も計算して…。
試作機は完成したが、いくら漕いでも浮きそうで浮かない。
「何で…?」
ガックリと肩を落とす。
考えられるのは俺のパワー不足だ。
だがしかし、みんながみんな競輪選手のような脚力がある訳じゃない。
「う~ん…どうする?」
俺は車を走らせる。
「サイクリング感覚で空を飛ぶ…
それが俺の望む『空飛ぶ自転車』だ」
車ならエンジンを弄ってパワーアップは簡単だが、人間はそうはいかない。
「…あっ!…ハイブリッドか!」
俺の車はエンジンと電動モーターを組み合わせている。
人間にモーターは付けられないが、電動アシスト機能付きの自転車がある。
モーターやバッテリーなどの重量増加はあるが、それを補って余りあるパワーアップだ。
今、俺の夢が飛び上がろうとしている。
end