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千分の一話噺

第662章 素晴らしき未来の為に…


21XX年、地球温暖化は止まらず日本の四季はほぼ崩壊していた。


「歴史の授業で言ってたお花見ってどんな事するのかな?」
「ソメイヨシノって桜が咲いた時に、花を見ながら宴会する事だって何かで読んだよ」
「ふ~ん、だから花見なんだ?」
「バーチャルルームでやってみようか?」
俺達は校内のバーチャルルームへ向かった。

バーチャルルームでは資料さえあれば、バーチャルリアリティで再現が可能だ。
「昔の日本の春は桜があちこちで見られたのね」
「この桜が一斉に散る時は、桜吹雪って呼ばれてたんだよ」
バーチャルで桜吹雪も再現できる。
「これが桜吹雪?
凄く綺麗ね」
「うん、百年くらい前なら春になるとどこでも見れたらしいよ」
「もう春も秋も冬のないもんね」
「昔は30度超えると真夏日って云われてたらしいけど、今や毎日40度以上だからね」


完全な亜熱帯と化した日本は北海道以外で桜は咲かなくなった。
その北海道でも後数年もすれば、桜は全滅すると云われている。
だから花見も桜吹雪もバーチャルでしか体験出来ない。

「いつか本当のお花見って出来るようになるのかな?」
「温暖化が収まる数百年後になるんじゃない?」


end

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