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千分の一話噺

第651章 痛みに耐えて…


今年は良い年になりそうだ。

年末の大掃除でぎっくり腰をやり死にそうな思いをしたが、年明け早々にマネージャーから電話が入った。

「某デパートの新春セールに合わせてステージがあるんだけど、予定していたのが一組、コロナに掛かって空きが出来たんだ
まあ、お前らに期待はしてないが頑張ってこい」

まだ腰は痛むがそんなことは言ってられない。
これで認められれば売れるチャンスだ。
早速、相方とネタの打ち合わせした。

『新春お笑いバトルステージ』

デパートの屋上に特設ステージが作られ若手芸人が集められた。
まだほとんど世に出てない芸人ばかりだが、ここで優勝するとテレビ番組の出演権が与えられる。

『どぉもぉ~!僕がヘッドで…』
「俺がロックだ!」
『二人合わせて~』
『「ヘッドロック!」』

『まあ、ほとんどの人が初めましてだと思いますが、顔と名前だけでも覚えてって下さい』
「おい!何ボケてんねん!」
『いやボケてないけど?』
「ボケてるやんけ!顔と名前なんかどうでもええんや!
俺達、ヘッドロックを覚えろってんだよ!」
『…それ、僕達の顔と名前だよね』

「それより聞いてくれよ!年末、腰やっちまってよ!
こうやって立ってるのもやっとなんだよ」
『それは大変だったねぇ
じゃあ、こんなことしたら?』
「っ!てめえ!こら!触るんじゃねぇ!
しばくぞ!ボケッ!」
『四つん這いでイキっても全然怖くないんだけどぉ~』


ぎっくり腰ネタが大爆笑し、俺達は優勝出来た。
念願のテレビデビューが決まった。


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