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千分の一話噺

第649章 酒は呑むもの、呑まれるものじゃないのさ


「ひっく…うえぇ~い」
突然、先輩が酔っ払った。
「先輩、何酔っ払ってるんすか?
それ、甘酒っすよ」
俺が飲ませたのは普通の甘酒のはず…。
「てやんでぇ~、ひっく…矢でも鉄砲でも持ってこい!!!」
「先輩!ふざけるのも大概にしてして下さい!」
あまりに大袈裟なので俺は声を荒げる。

「ああ、この人はふざけてる訳じゃないよ…
アルコールが1%でも含まれてればこうなるんだ」
もう一人の先輩が教えてくれた。
「いや、だってこれ甘酒っすよ…」
「甘酒の原料の酒粕は清酒を精製する過程で出来るからアルコールが含まれているんだよ
アルコールを含まない米麹が原料の甘酒もあるけど…」
「マジっすか?甘酒にアルコールなんて…」
俺は甘酒の原料が書かれているラベルを見た。
確かに酒粕が原料で、アルコールが1%未満含まれてるとも書いてあった。

「あははっ!もっと酒持ってこい!」
先輩は上機嫌だ。
「…アルコール1%って、ノンアルドリンクっすよね?
こんなんで酔っ払う人なんているんすか?」
「この人は特異体質なんだよ、アルコールに異常反応する…
俺もウイスキーボンボン食べさせた時はビックリしたよ
まあ、一時間もすれば元に戻るけどね」

言われた通り一時間様子を見ていたら…。
「…あっ、あ~駄目だよ、僕にアルコール飲ませちゃ!」
しらふに戻った先輩に怒られてしまった。

自覚があるなら飲まなきゃいいのにと俺は思った。


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