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千分の一話噺

第645章 クリスマスには悪魔の宴を…


クリスマス…。
サンタクロースが子供たちにプレゼントを配る。
しかし、大人に訪れるサンタがいる事は知られていない。

「私はサンタクロース…
あなたの望み叶えてあげましょう」



それはイブの夜、日付が変わろうとしていた。
「クリスマスが何だっていうんだ!?」
その男は婚約者を亡くした。
ひき逃げで未だに犯人は捕まっていない。

「それがあなたの望みですか?」
どこからともなく声が聞こえる。
「誰だ!?」
「私はサンタクロース…
あなたの望みを叶えてあげましょう」
男の目の前にサンタクロースの衣裳を着た女性が現れた。
「さ、サンタだと?」
「そう、あなたの様に人間が叶える事が出来ない望みを叶える青いサンタクロース…
死んだ人を生き返らせる事は出来ないけど、犯人を同じ目にあわせる事なら出来るわよ」
青いサンタは男にウインクをする。

「ふざけるな!そんな事が出来る訳ないだろ!」
「じゃあ、私がどうやってこの部屋に入ったのか分かる?」
男は考えるが答えは出なかった。
「…そう言う事よ
私は人間には出来ない事が出来るの」
「……何で俺なんだ?
俺よりもっと不幸な奴がいるだろ?」
「…たしかに私は一人しかいないから、全ての人にチャンスはないわ
一年に一人だけのチャンスだから、宝くじみたいなものね
…で、どうするの?」
男は悩んだ挙げ句、答えを出した。


『ひき逃げ犯、逮捕される』
翌日、ニュースが流れた。


「ふう…、逮捕だけでいいなんてお人好しね
まあ、だから選んだけど…」
青いサンタクロースは衣裳を脱ぐと、隠していた黒い羽を広げ夜空へ飛び去った。


end

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