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千分の一話噺

第641章 舞踏会


そこには落ち葉が絨毯のように一面に広がっていた。

「…ここは?…どこだ?」

確か俺は、風呂に入ってたはず…。
何で外にいるんだ?

「げっ!」
真っ裸だった。
「ふ、服は!?」
辺りを見回しても何もなかった。
誰かに見られたら、変態で通報されちまうぞ。
「何か隠す物は?」
落ち葉しかなかった。
「こ、これじゃあ、無理だろ!?」

「お困りですか?」
いきなり後ろから声をかけられた。
「えっ!?あ、怪しい者では!?」
咄嗟にあちこち手で隠した。
「…これをどうぞ」
後ろから服を渡された。
「ありがたい!」
すぐに服を着ると振り返りお礼を言った。
「助かりまし…たっ!?」
そこにはドレスを纏っためっちゃ美人な女性が立っていた。

(マジかよ?裸見られちまった
ん?まてよ…さっきは誰もいなかったよな
この美女、どこから出て来たんだ?)

「いや、それより…ここはどこですか?」
美女はニッコリ笑って…。
「ここは舞踏会の会場ですよ」
「ぶ、舞踏会?
いや、だって落ち葉しか…」
周りに目をやると真っ赤な絨毯とたくさんの紳士淑女が踊っていた。
(な、何で!?…なんなんだ!?)
「さぁ私達も踊りましょ」
美女に手を引かれ、わけも分からず踊り始めた。

「あっ!」
踊りなれてないから足を滑らしてコケてしまった。

ゴボゴボ…。

(い、息が出来ない!)
「…うわぁぁぁぁっ!」
勢い良く起き上がると…。
「ハァハァ…え?…風呂?」
どうやら湯船で寝てしまった様だ。
「…やっぱり夢だっのか」
湯船から上がろうとしたら紅葉が一枚浮いていた。


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