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千分の一話噺

第630章 フェチ


全く俺のご主人様にも困ったもんだ。

いくらブランド品で着飾っても中身がアレじゃあモテないって分からないかね?
「じゃあ、行ってくるね♪」
今日も香水吹いて、俺に投げキッスして合コンに出掛けて行った。


「今日も無駄な努力をしてたわね」
「ベティ、お前もそう思うか?」
右隣のベティが話し掛けた。
「みんな思ってるわよ」
「あの体格でヒラヒラの服はないよな」

ご主人様がいなくなって、他の仲間も目覚めた。

「テディも毎日大変よね
ずっと愚痴聞かされてるんでしょ?」
「まあ、愚痴くらいならね」
左隣のピーターが呆れる。

「そういえば、プーの姿が見えないな」
「プーは今、ダンベルの下敷きだよ」 
下にいるフィリックスが答えた。
「ダンベルって…?」
「昨日、俺と一緒にトレーニング室に連れてかれて、熊だからこれくらい持ち上げないととか言って…
ご主人様は生卵三個飲み干して笑ってたよ」

「マジかよ…俺も一応熊なんだけど…」
「テディはご主人様のお気に入りだから平気やろ」
上にいる招き猫が笑う。

「昔は可愛かったのに、何であんな筋肉フェチになったんだろうな?」
俺は首を横に振った。


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