• テキストサイズ

千分の一話噺

第623章 招待状


とある会社の会議室。

「今年のうちの商品はどうする?」
「何かアイデアないかな?」
「ふぅ…ちょっと休憩にしよう」

小さい会社ではあるが、ネット販売が好調で業界注目の会社であった。

そして…。
「社長!これっ!」
一通の招待状が送られてきた。
「パ…パリコレ?だとぉぉぉぉぉ!!!
何でうちみたいな会社に…」
かの有名なファッションショーからの出場依頼だ。

すぐに緊急会議が始まった。
「おい!パリコレなんて、どうするんだよ?」
社長は狼狽えた。
「これは世界に打って出る大チャンスですよ!」
「我々の商品が世界に認められたんです!」
社員は浮かれていた。

会社は上へ下への大騒ぎとなった。

「パリコレに出す商品なんて、どんな服が良いんだ?」
専属のデザイナーなど置かず、今までデザインは社員が意見を持ち寄って作っていた。
「社長、ショーですから多少奇抜なデザインが良いんじゃないですか?」
「着物や和服っぽい感じでも良いかも知れませんね」
しかし、いまいち決め手に欠けていた。

「仕方ない…ちょっと占ってみるか?」
社長はおもむろに水晶玉を取り出すと、何やらぶつぶつ唱えた。
「どうっすか?社長!?」
「…うむ…キウイが見えるな」
「…キウイってフルーツの?」
全員、首を傾げた。
「う~ん、キウイみたいなグリーンを使えって事かな?」
社長も首を傾げる。

そんな時に一人の社員が気付いた。

「社長!これ『パリコレ』じゃなくて『バリコレ』です」


end
/ 1580ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp