第613章 支払いはプールの前に…
梅雨が明けたばかりなのに、毎日、毎日、猛暑が続きエアコンの効いた部屋から出たくない。
そこに貴子から電話が…
「暑いねぇ~」
挨拶はこれしか出てこない。
『ねえ、暑いからプール行こうよ』
「プールかぁ…でも涼しい部屋から出たくないなぁ」
『たまには太陽浴びないとモヤシみたいになっちゃうよ
とにかく迎えに行くから!』
電話が切れると水着を探した。
「あれ?ここに入れといたはずだけど…」
タンスを探しても押し入れを探しても水着が見つからない。
ピンポ~ン!
もたもたしてたら貴子が来てしまった。
「ほら、プール行くよ!」
「それがさぁ、水着が見つからないのよ」
「なにそれ?笑えるぅ~」
「どうしよう…」
「買えば良いじゃん
ついでに私も新しい水着買おう!」
何故か貴子も水着を買うと言い出した。
「何であんたまで?」
「だって二年も前のだから、新しいのにしたいじゃん」
頭が痛くなりそうだ。
「私なんか五年は着るよ」
「エコも良いけど、やっぱり流行りの着たいじゃん」
(いや、私の場合はエコじゃないんだけど…)
「…まあ、とにかく買いに行こう」
早速、ショップに行って水着を選んだ。
「これ可愛いじゃん」
「こっちのが可愛くない?」
店内は涼しいし、やっぱり流行りの水着を選ぶのは楽しい。
「私はこれかな?」
貴子は白と青のビキニを選んだ。
「う~ん、どうしよう」
「まだ決まらないの?」
オレンジか?ライムグリーンか?で悩んでいた。
「どっちが良いかな?」
貴子に聞いてみた。
「迷ってるなら両方買っちゃえば?」
「はぁ…あんたに聞くんじゃなかった…」
悩んだ挙げ句、ライムグリーンのワンピースにした。
水着を買うなんて思わなかったから持ち合わせがなくてカードで支払った。
「じゃあ、プール行こう」
私も貴子もご機嫌でプールに向かった。
end