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千分の一話噺

第611章 祟り?


もうすぐ『土用の丑の日』、特にウナギが好きな訳じゃないけどなんだかんだ言いながら食べる。

「昔ならともかく、現代社会で夏バテ防止にウナギって…」
「先輩、そんなこと言ってるとウナギの祟りがありますよ」
そう言い出したのは職場の後輩、宇奈月《うなつき》だ。
「祟りだ?お前こそ、そんなこと言ってるから未だに彼氏が出来ないんだよ」
「先輩には関係ないです!
ほっといて下さい!」
宇奈月は頬を膨らませそっぽを向いた。

それが祟りの始まりだった。

勢いよく頭を振ったせいで彼女のポニーテールが俺の顔を直撃した。
ちょうどウナギを口に入れようとしていた瞬間だった。
「ぶはっ!」
突然のポニーテールビンタにウナギを吹き出してしまった。

スローモーションで宙を舞うウナギ!

綺麗な弧を描きながらその先にあったスキンヘッドへ…。

べちゃっ!

スキンヘッドがこっちへ向いた。
「…てめえ、なにしやがる!」
その筋の人だった。

「す、すいません!」
即土下座をし、ウナギ代とクリーニング代で勘弁してもらった。

「ほら、祟りにあった」
宇奈月は一人頷いた。


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