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千分の一話噺

第610章 ステージ


あるところに金髪でダイナマイトボディの外国人女性と黒髪の小柄な日本人男性がいた。

小柄な男性が叫ぶ。
「今年の暑さは何なんだぁ!?」
梅雨は空梅雨で6月中に明けるという異例の気候となり、早くも猛暑が襲ってきた。
「…叫んだって涼しくならないわよ
余計に暑苦しくなるから止めて!」
金髪女性が男性の頭を思いっきり叩いた。

「痛ぇなぁ!何すんだよ、シェリー!」
「真吾は日本人なんだから、こんな暑さは慣れてるでしょ?」
シェリーと呼ばれた金髪女性は両手を広げ肩をすぼめる。
「日本人だってなぁ今頃猛暑日なんて慣れてねぇんだよ!
普通なら水無月と言ってまだ梅雨の時期なんだからな!」
真吾と呼ばれた男性は反論する。

「…みなづきって何よ?」
シェリーは首を傾げる。
「旧暦の6月の事だ
水が無い月って書くんだけどね」
「今7月よ
それに梅雨時期に水が無いっておかしくない?」
シェリーはまた両手を広げ肩をすぼめる。
「旧暦と新暦じゃあ1ヶ月くらい違うからな
無いって書くけど意味は『水の月』なんだよ」
「ふ~ん、日本語ってやっぱり難しいわね」
シェリーは首を横に振る。
「…それだけ喋っててよく言うよ」
真吾が呆れる。

「それより、そろそろ出番よ」
シェリーが真顔になった。
「へいへい…行きますか」
真吾も真顔になってシェリーの横に立つ。
幕が上がり二人はステージへ飛び出した。


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