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千分の一話噺

第607章 レインマン


今日も学校では…
「また出たってよ!」
「またぁ!?勘弁してほしいわ」
「あれが出ると頭痛くなるんだよな」
『あれ』の話題で持ち切りだった。

『あれ』とは、低気圧を操る妖怪・レインマンだ。
妖怪と言っても、人助け大好きな奴で頼まれるとその地域に低気圧で雨を降らせる。
農家や冬のスキー場には大人気でシーズン中は予約がなかなか取れない。
(因みに予約を取るには、人気のない裏路地に照る照る坊主を逆さに吊っておくとレインマンからLINEが入る)
が、低気圧を作る時に急激な気圧の変化が起こる為にみんな頭が痛くなる厄介な奴でもある。

そんなレインマンが何故かこの梅雨時に街中で毎日の様に雨を降らしていた。
頼まれればどこでも雨を降らせるが、頼まれなければ何もしない無害な妖怪だ。
という事は、誰かがレインマンに頼んだ事になる。

「そう言えば隆史、走るの苦手だったよな」
「それがどうした?」
「マラソン大会の日に出たよな」
「それなら栄子だって遠足かったるいって言ってたじゃん」
「私!?違うわよ!
賢一くんこそ、昨日頭痛で休んだでしょ!」
   
そう、誰かじゃなく、みんながそれぞれに頼んでいるから毎日の様に雨が振る。


レインマンは頼まれればどこにでも雨を降らせる。
あなたも裏路地に照る照る坊主を逆さに吊るせばレインマンが雨を降らせてくれますよ。


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