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千分の一話噺

第605章 晴れのちUFO


梅雨時、シトシトと雨が降り、湿気でじめじめするのが当たり前。
しかし、今年の梅雨は…。

「あっついなぁ~っ!
梅雨じゃなかったのか!?」

梅雨入りはしたが雨が降らない空梅雨であった。
湿度はそれなりに高いので不快指数は右肩上がりだ。

「ちょっと冷えるサプリくれ!」

店員はたくさんあるサプリメントの中から青いサプリメントを出してきた。

「だったら、これが良いよ
気温にもよるけど、半日くらいは保つから…」

立ち飲みサプリメント屋が当たり前になって300年になる。
そもそもは地球温暖化による作物不足からサプリメントが食事の代わりとなっていった。
今では栄養補給だけでなく、体温調整まで出来るようになった。

「おお~っ!効くねぇ!」

体温調整サプリは即効性なので飲むと直ぐに効果が出る。
しかし、外は真夏並みの天気だ。

「そろそろ、お天気UFOが来るかな?」

空を見上げると遠くからたくさんのUFOが列の成して飛んでくる。
UFOの飛んでる後ろには次々と雨雲が発生し雨が降り始める。


約150年前、異常気象は止まる事を知らず、地上の半分は砂漠と化し、人口は3分の1以下となっていた。
そんな地球に飛来したUFOの乗員が、「地球はこのままでは異常気象で壊滅する」と告げ、協力を申し出てくれた。

「この機体(UFO)は、人工的に雨を降らせたり、雨雲を回収する事が出来る
我々の移住を認めてくれれば、協力は惜しまない」

当時の世界各国の指導者にこれを断る気力はなかった。
このUFOにより異常気象で壊滅寸前だった地球は徐々に元の気候に戻っていった。

無数のUFOで飛来した移住者達は無人となっていたオーストラリア大陸で独自の国家を築き、平穏に暮らしている。


end

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