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千分の一話噺

第602章 異世界アパート19


「綾子、お茶漬けにコロッケ入れる気?」
涼子に言われて気が付いた。
「えっ?あっ!?」
私は慌ててコロッケを皿に戻した。

「あんた、なんか最近、変じゃない?
ぼ~っとしてる事多いし、何か悪いものでも食べた?
病院連れてこうか?」
「べ、別になんでもないわよ」
涼子はニヤニヤしながら…。
「ははぁ~ん、男だな!」

ギクッ!

「な、な、なんでそうなるのよ!?」
「その動揺っぷり、図星ね…
田舎の男?それともGW中に新しい男でも出来た?
まあ、私の綾子に手を出すなんて許さないけどね」
「涼子!いい加減にしないと怒るわよ!」
涼子の悪ふざけについ声が大きくなってしまった。
「そんなに興奮すると血圧上がるよ?」
涼子のニヤニヤが止まらない。
「わ、私は…そんな…」

涼子の言うこともあながち間違いじゃない。
異世界《あっち》で出会ったゼクスって冒険者は毎日の様にクレープを買いに来る。
初めはただの甘党なのかと思ってたけど、ナタリーやカタリナに私目当てだってからかわれている。

「…別に告白された訳じゃないし…」
つい声に出してしまった。
「おっと!新たな男の出現だぁ!
田舎の男と新たな男の間で揺れ動く乙女心!
綾子に女難…ならぬ男子難の相が出てるぞ」
「変な予言しないのっ!
田舎に彼氏なんていないし、彼もそんなんじゃ…」
涼子はお洒落で美人だからモテるけど、私みたいな田舎育ちのダサい女がモテる訳ないじゃない。

「綾子、あんたはもっと自信持ちなさい
社内にだってあんたを狙ってる男は何人もいるのよ
気付いてないみたいだけど…」
涼子はそう言ってウインクした。

もしかして…私、モテ期なのかしら?


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