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千分の一話噺

第601章 合宿2


俺達ミステリー研究部はGWに入るとすぐに合宿先へ向かった。
電車とバスを乗り継ぎ、着いた先は某県某所の崖の上。
サスペンスドラマのロケ地で有名な断崖絶壁だが、ここで告白すると必ず結ばれると云われている。

「うわぁ…ここがサスペンスの聖地かぁ」
「そう、恋人達の聖地よ」
女子部員達は目がキラキラしている。
「まあ、ここは合宿のオープニングみたいな所だ」
浩二はそう言うとコインを取り出した。
「よし、このコインを弾いて表が出たらホテルにチェックイン、裏が出たら廃旅館の探索だ!」
浩二がコインを指で弾くとみんなはそれを注視した。

パシッ!

「ちっ…表か」
浩二は舌打ちしたが、これも計算の内だろう。
俺達は予約しているビジネスホテルに向かった。
「浩二…ここか?幽霊出そうだな…」
町外れのおんぼろホテルにチェックインし、荷物を置いてから食事をしに町中へ出た。
とりあえずファミレスで食事を済ませると…。
「さて、諸君…
これから夜のお楽しみと行こうか」
浩二がニヤリと笑う。

俺は手話の様に手を動かして他の部員にサインを送る。
(作戦スタートだ)
「あっ、部長…
デザートがまだです…」
「修一、お前甘党だったっけ?」
修一の発言に女子部員達が乗っかった。
「そうよ、デザート食べに行きましょうよ!」
「お前ら!これから廃病院に…」
「まあまあ、浩二…、そんなに怒ると血圧上がるぞ
ほら、けん玉でもやろうぜ」
浩二は昔からけん玉を見ると一時間は止まらない。
これで今夜の廃病院探索は回避出来る。

ネットを調べていたら、ここの廃病院は夜が特にヤバい事が分かった。
浩二は絶対夜に動くと思い、みんなで阻止作戦を考えた。
明日は強引に廃旅館へ連れていけば、GW合宿は無事終了だ。


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