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千分の一話噺

第600章 リカちゃんの迷宮


『リカちゃんコイン』

今から数千年以上前にこの地域を支配していたとされる謎の女王『リカちゃん』が彫られたコインだ。
百年程前に一枚発見されただけの幻の秘宝、余多の冒険者が追い求めているが以降誰一人手に入れた者はいない。


俺達は酒場で次の獲物の話をしていた。
「へぇ~、そんなお宝があるんだ?
それ、私達で見付けちゃおうよ」
ボニーは茶目っ気たっぷりにウインクした。
「マジかよ?
あの有名な冒険者ジョーンズでさえ見付けられなかったお宝だぞ…」
俺は大袈裟に手を広げ肩をすぼめた。
「何か手掛かりはないの?」
「…ない訳じゃあない」
俺はわざと勿体ぶった言い方をする。
「何よ!あるならさっさと言いなさい!」
彼女の目の色が変わった。

「…こいつだ
まだ、お前と組む前の相棒が持っていたもんだ」
俺は革で作られた地図を彼女に見せた。
「宝の地図?…その相棒はどうしたの?
ま、まさか殺した…?」
彼女はわざと引いてみせる。
「そんな訳あるかっ!
奴はぴんぴんしてるわっ!歳で引退しただけだ!」
「冗談よ
クライドが人殺しなんて出来る訳ないもんね!」
そう言いながらぐいっとグラスを空ける。

「でも、何で前の相棒と探さなかったの?」
「俺も相棒も全然分からなかったんだが、とある占い師の予言で、この地図の謎は女の冒険者が解くだろうと言われてな…
それをすっかり忘れてた」
俺は笑いながらグラスを空ける。
「忘れてたんかい!」
彼女に突っ込まれた。
「それを思い出して、ボニーなら分かるかなと思ってな…
これがどこを示しているのか?」
「…女なら分かる地図なんて聞いたことないわよ」
地図を渡すと…。


俺達は何度も死線を潜り抜け、やっとのことでお宝を手に入れた。
「これが幻のお宝『リカちゃんコイン』か…
女王と言うより王女?…子供っぽいよな」
「だから謎の女王って呼ばれてるのよ
でも、これで私達は世界一の冒険者よ!」



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