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千分の一話噺

第597章 告白


K氏は最近飲み屋で知り合った飲み友達だ。
今日もそのK氏といつもの居酒屋で飲んでいた。

K氏はチューハイを飲みながら…。
「…俺、実は甘いものが大好きなんだ」
そう告白した。

「は?…それがどうかしたのか?」
「えっ…驚かないのか?俺みたいのが甘党なのに?」
見た目が厳ついK氏が甘党なのは意外ではあるが、最近ではそんなのは特別珍しくもない。
「今時、男で甘党なんてザラにいるぜ」
「そうか…
じゃあ、もう職場で隠す必要もないな」
どこか晴れ晴れした顔をした。

「隠してたんだ?」
K氏がどんな仕事をしてるのかは知らないが、見た目が見た目だから甘党なんて知れたら周りは驚くだろうと思われる。
「まあ、酒好きなのは知れ渡っているから余計に言えなくてな…」
一般的に酒好きは辛党と言われている。
「なるほど、それは言い難いな…
職場に甘いものでも持って行ったらどうだ?」
「そうだな、それならそれとなく分かってもらえそうだな」
K氏はぐいっとチューハイを飲み干した。


俺にも隠している事がある。
が、それは誰にも言えない秘密だ。


しかし…。


「まさか、こんな形で会う事になるとはな…
残念だよ、常習万引き犯『黄昏のJ』さん」
K氏はそう言いながら懐から手錠を出し、俺の手首に当てた。

ガシャ!


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