第593章 ボケ&ツッコミ
彼女が突然、変な事を聞いてきた。
「なあ、春の七草ってよく言うやんかぁ
あれって、桜とか菜の花とかチューリップとかパンジーとかやろ?」
「おい、ボケてるのか?」
「なんでやねん!
…って、ボケてないわよ」
どうやら彼女はマジの様だ。
俺もあまり詳しくはないんだけど…。
「はあ…、だったら七草粥って知ってるか?」
「それなら知ってるわよ
正月頃に食べるアレやろ?」
「正月頃って…
まあ、知ってるなら話は早いな
その七草粥に使われている野菜が春の七草なんだよ」
彼女は首をかしげた。
「ん?正月ってまだ冬やんかぁ
なんで春の七草?」
「正月は新春と言うだろ?
昔のカレンダーは1月からが春なんだよ」
「うそ?1月なんて真冬やん」
俺もそう思う。
「旧暦は約1ヶ月ずれてるし、今ほど寒くなかったのかも知れないだろ?」
「1ヶ月ずれてるって12月なん?」
さすが良いボケをかましてくれる。
「前じゃないよ、2月だ」
「2月なんてもっと寒いやん」
「昔の人は梅が咲く頃だから、もう冬は終わりって感じてたんだろ?
花見も昔は梅だったらしいからね」
あまり納得してはいない様だが…。
「ふ~ん、じゃあその春の七草ってなんなん?」
「春の七草と言われてるのは、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ、だよ」
「へぇ~、そうなんや…
でも、聞いたことない草ばかりやね」
俺もそう思う。
「昔の呼び名だから、今とはちょっと違うね」
彼女はパッと思い付いた様に…。
「だったら、今の七草にしたら良いやん!
桜とか菜の花とか…」
「桜は草じゃないから!」
ついツッコミを入れてしまった。
end