第587章 おふくろの味
来週は連休か…。
仕事もやっと落ち着いたし、久しぶりに実家に帰るか…。
「土産は何にするかな?」
デパートに立ち寄って適当な物を探す事にした。
「北海道物産展ね…」
エスカレーターで地下の食品売場に行くとデカデカと横断幕が張られ呼び込みも元気だ。
「そういえば、おふくろも親父もカレー好きだよな
本場のスープカレー食べてみたいとか言ってたし…」
レトルトではあるが、北海道スープカレーが何種類か売っていた。
「どれにするか?
…まあ、レトルトなら保存も利くし全部買っちまうか」
全種類二個づつ買った。
実家に着くとおふくろがジグソーパズルと格闘している。
「う~ん、これはこっち?それともこっち?」
大きさからすると1000ピースくらいあるパズルだ。
「何やってんの?」
「見たら分かるやろ
ジグソーパズルはボケ防止に良いんやて」
いや、だからと言ってこれは大き過ぎるんじゃないのか?と思ったが、おふくろは何か楽しそうだった。
「はいはい…、これ土産!」
おふくろは袋の中を見て…。
「…何や?久しぶりに帰ってきて土産がレトルトカレーって!?」
「前に北海道スープカレー食べてみたいとか言うてたやろ?
レトルトだけど…」
文句を言いながらもおふくろは嬉しそうな顔をしている。
「あっ、そうや!お腹空いてへん?
ご飯炊いてあるし、レトルトカレーがあるからそれでも食っといてな」
おふくろはそう言って、またジグソーパズルと格闘を始めた。
久しぶりに帰ってきた息子にレトルトカレーかよ!?
end