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千分の一話噺

第586章 バービーパニック


私はコッペパンが大好物!

なのに…なのに…なのに!なのにっ!!!

「何でこうなるのぉぉぉ~!!!!!」




目覚めたら、目の前にコッペパンがあった。
それはそれで嬉しかったけど、そのコッペパンは有り得ない程巨大だ。
「えっ?…これって?」
いや、コッペパンが巨大なんじゃなくて私が小さくなったてる!?

よく見回したら見慣れた物が全て巨大化している。
私が愛用しているマグカップ、コッペパンも噛った後がある。

「そうだ…鏡!」
私の部屋のテーブルなら鏡があるはず…。
化粧品やらリモコンやらを掻き分け手鏡を探した。
「うぅ…ちゃんと片付けないとダメね」
やっと見付けた手鏡は裏返しになっていた。
ひっくり返そうとしたが意外と重い。
「鏡ってこんなに重いの?」
やっとの思いで表にして覗き込んだ。
「これが私?…まるでバービーじゃない…」
見た目は顔以外完全にバービー人形だ。

子供の頃、バービーみたいになりたいと思っていたからこれはこれで嬉しい。

…けど、何でこんな事に?と思い返してみる。

確か、変な雑貨屋で缶にバービーがプリントされたスプレーを買ったのよね。
帰ってきてコッペパンを食べながら、スプレー缶をよく見たけど、英語じゃない外国語で色々書かれててよく分からなかった。
バービーだから香水かと思って、ちょっと手に掛けたら、なんかヒリヒリして、急に眠くなって…。
「あのスプレーが原因!?
まさかバービーになれるスプレーとか…」
と思っていると、また急に眠くなった。

「…あれ?元に戻った…夢だったのかな?」
目が覚めると元の大きさに戻っていた。
コッペパンを食べながら改めてスプレーを見たが、やっぱり何が書かれているのか?分からなかった。


『注意書き

このスプレーは防犯用です
痴漢、暴漢、泥棒、強盗などの犯罪者に向けてスプレーして下さい
相手は30分程バービー人形になるので、その間に警察に連絡して下さい
自分に掛からない様に注意して下さい』


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