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千分の一話噺

第580章 願い事


孝司は頭を抱えていた。
「…頭痛も省エネにしてくれないかな?」
「なにそれ?」
妻、美佐子は首を傾げた。

「短時間で強烈な頭痛より、長時間だけど軽い頭痛の方が我慢出来るだろ?」
何とも説得力のない理論だ。
「それって省エネになるの?
…だったら豆まきの時にお願いしたら?」
美佐子は半分呆れ顔で提案した。

「何で豆まきで?」
今度は孝司が首を傾げる。
「鬼は外の『鬼』は、病気や天災みたいな事を指すの…
無病息災で良い事がある一年になる様にって豆を撒くのよ」
美佐子は豆まきの蘊蓄《うんちく》を述べた。

「よし、豆まきしよう!」
孝司はすぐに豆を探した。
「豆なんてないわよ
あなたが豆まきなんて迷信だからやらないって言ったんじゃない」
美佐子は完全に呆れている。


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