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千分の一話噺

第578章 助っ人


『阪神タイガースに大虎現る!』

一面を飾る見出しに俺はそのスポーツ新聞を手に取っていた。
「大虎?…新しい助っ人か?」
スポーツ新聞の見出しは、大概、大袈裟に書かれている。
しかし、一面の写真は本物の虎の顔だ。
「本物の虎でもマスコットキャラクターにするんか?」
記事を読むと、やはり外国人助っ人の事の様だ。
「身長2m13㎝体重147㎏…
ほんまに大型助っ人やな
野球より格闘技の方が良いんちゃうか?」
急遽決まった契約で、まだ本人の写真が手に入らず虎の写真を使った様だ。

『ベンガル・タイガーアイ』

名前も大虎だった。
「これって本当に本名なん?」
アフリカ系のアメリカ人と言うことだが…。
「タイガー・ウッズみたいにファーストネームで使うなら分かるけど、ファミリーネームがタイガーアイってどんだけ虎好きな一族やねん」
呆れるくらいタイガースにピッタリな選手だ。

「しかし、外人は試合になってみないと分からんからなぁ…」
鳴り物入りで入ってすぐにいなくなる選手はたくさんいる。
「こいつはどうなんや?」
メジャーリーグでの試合出場はなく、去年のマイナーリーグでの成績は…。

打率.361、本塁打45本、盗塁36、15勝2敗、防御率1.35、奪三振89…

「な、なんや?この成績は!?
マイナーとは言え二刀流で、あの大谷翔平を超えとるやないか!」
これならメジャーでも十分通用する成績だ。
何でこんな選手がメジャーに上がらないで日本に来るのか分からなかった。
記事によれば、大の日本好きでタイガースでプレーするのが子供の頃からの夢だと言う事だ。

これで今年のタイガースは日本一だ!


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