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千分の一話噺

第572章 悪友も時が過ぎれば…


『これからカラオケ行かね?』

8年ぶりに帰省している悪友(幼馴染み)からメールが着た。
『正月くらい大人しく実家にいろ!』
まあ確かに正月も大人になると退屈と言えなくもないが、正月くらいしか実家に戻らないんだから親孝行の一つでもやれっつうの…。

『だって暇じゃん』

単刀直入な奴だ。
『俺は暇じゃないんだ!
お前、餅とか雑煮とか好きだろ?
テレビでも見ながら食べてろ』
こっちは甥っ子や姪っ子にお年玉を急かされて大変だっちゅうに…。

『餅も雑煮も好きだけど、テレビは似たような番組ばかりでつまらない』

言う事も分かるし、俺も逃げ出したいよ。
『カラオケは無理だが、後でラーメン食べに行こうぜ』
夜は親戚連中と飲み会があるから、その前に会ってやるか…。

『やった~!帰って来てからまだこっちのラーメン食べてないんだ』

ラーメンくらいで喜ぶかね、普通…。
『3時にいつもの場所だ
覚えてるか?』
ガキの頃からの待ち合わせ場所だ。

『もちろん覚えているよ!』

8年ぶりだが、あいつは変わってるのかな?
まあ、あのブタマンが変わる訳ないか…。

そんな事を考えながら待ち合わせ場所に向かった。

「月の丘公園…懐かしいなぁ
よくここで遊んだっけ…」
辺りを見回したが親子連れはいるが奴はまだ来てないみたいだ。
「遅せぇなぁ…」
公園の入り口を見ていたら、女性が一人入ってきた。
スレンダーでモデルみたいな美人だ。
(はあ…こんな街にあんな美人いたんだ)
その美人は俺の前で止まって…。
「待たせてゴメン!」
頭を下げた。
俺の心臓は一瞬止まった。


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