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千分の一話噺

第571章 異世界アパート16


今年のカレンダーも後一枚…。

異世界《あっち》はこれから冬の始まりの1月となるんだけど年末年始を祝う習慣はない。
もちろん忘年会もクリスマスもない。
冬に備えて買い物したり、ナタリーの店で仕事したりといつもの日常と変わらない。

しかし、現実《こっち》の方は忙しい。
「綾子、イブのイルミネーションパーティー行くでしょ?」
コロナが大人しくなってるから涼子と遊びに行く約束をしている。
「もちろん!あの巨大サンタのイルミネーションを見ながら苺のケーキを食べるの楽しみにしてるんだから…」
異世界では絶対に見れないイルミネーション、ナタリー達にも見せてあげたいと思った。

それと大晦日には涼子の部屋で年越し蕎麦を食べながら、『ゆく年くる年』カウントダウンパーティーもする。
「涼子の部屋で年越しするのは初めてよね」
「ふふふっ、私の料理で虜にしてあげる!」
涼子は不敵な笑みを見せた。

異世界《あっち》も年末くらいイベントがあれば良いのにな…。

「あっ…向こうでもみんなでやれば良いんだ」

すぐに異世界に行き、ナタリーとカタリナに相談した。
「私の国では年末にはいろんなパーティーがあるの…
でね、ここでも何かパーティーが出来ればなぁと思って…」
「パーティーと言っても何するの?」
年越し蕎麦は日本のだし、キリスト教はないからクリスマスも無理、時計がないからカウントダウンも無理か…。
「…そうだ、街中にキャンドルをいっぱい飾ってイルミネーションにしましょう
屋台も並べてみんなでワイワイしながら年越しなんてどう?」
私の提案に二人もやる気になってきた。
「屋台を出せる店なら私がいくつか頼んでみるわ」
カタリナなら顔が広いから任せても大丈夫よね。
「キャンドルより魔法の灯りの方が安全よ
ローズに頼んでみましょ」
しっかり者のナタリーには助けられっぱなしね。
これで異世界《こっち》の年末にも楽しみが出来たわ。

現実と異世界の二重生活はまだまだ続く…。


end

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