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千分の一話噺

第570章 ああ、みたらしの彼方には…


うちは創業百年を超える老舗の団子屋。
そのせいか?私は大の団子好きになっていた。

今日も団子を食べながらカレンダーに印を付ける。
私は団子があれば、他に何も要らないくらい好き。
だから、こうして食べた日には印を付けている。
出来る事なら一年365日全てに印を付けたいくらいだ。
「今日も団子が美味いわぁ♪」
「あんた、またみたらし食べてるん?」
「ええやん、好きなんやから!」
「脳ミソ、みたらし漬けになっても知らんよ?」
特にみたらし団子が好きで母親にも呆れられている。

「そうね、団子屋の娘たるもの違う団子も食べんとバランス悪いかも…」
私はすぐにあんこ、きな粉、焼き醤油団子を食べた。
「うん、あんこもきな粉も焼き団子も美味しい♪」
こうやって違う団子を食べると、またみたらし団子の良さが浮き立つ。

「何でみたらしってこんなに美味いんやろ?」
甘さとしょっぱさのバランスが成せる技…。
「って事は、あんこに塩降って、焼き団子には砂糖まぶして、甘じょっぱくすれば…」
私の予想はドンピシャだった。

すぐに父親に言って商品化してもらい売り出した。
商品名は…。

『粉雪団子』

瞬く間に売り切れてしまった。
ネットでも話題となり、うちは行列が出来る団子屋となった。
ご褒美として、みたらし団子食べ放題だ。


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