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千分の一話噺

第569章  時代錯誤


徳川幕府が始まって400年有余年…。
去年、第20代将軍・徳川家正が就任した。
とは言え、侍の時代は遥か昔、今や世の中はデジタル時代…。

馬は電気自動車に、刀はスマホに代わり、侍はすっかり企業戦士となった。
お金も小判から、お札になり、カードになり、今はスマホで何でも買える時代になった。

「旦那、安くしときますぜ!」
「何言ってやがる…
カードやスマホ払いでどうまけるって言うんだ?」
価格交渉なんて出来やしない。
「まあ、今はポイントですからねぇ
割り増しにしときますぜ!」
「ふん、で…何があるんだ?」
一応話だけでも聞いてみるか?
「必要とあらば何でも揃えて見せますぜ」
何でも屋店主はパソコンの画面を俺に向けた。

「お勧めはこの参勤交代セットですかねぇ
行列エキストラと献上品を用意しますから1人で来ても大丈夫ですよ」
「参勤交代セットかぁ…
来年はうちの番だしなぁ、考えておくよ」
幕府もいい加減、参勤交代なんて時代遅れな制度を廃止すれば良いのに、令和になってもやるなんて勘弁して欲しいもんだ。
「じゃあ、季節物の仇討ちセットなんてどうっすか?
忘年会の余興にはもってこいっすよ
47人のエキストラが忘年会に討入りして盛り上げてくれます」
「じゃあ…、その仇討ちセットと苺を貰おうか…」
スマホで払いを済ませた。

「苺はどれにします?」
「苺もいろんな種類のセットにしてくれ」
「じゃあ47種類入れときますね」


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