第564章 光りに…
「…イルミネーションが…溶けていく…」
君の瞳から色とりどりの光が溶けてこぼれ落ちていく。
まるで街のイルミネーションが溶けていく様に見えた。
「…泣かないで…」
僕の声はもう君には聞こえない。
涙を拭う事も出来ない。
「…抱きしめたい…」
君のすぐ傍にいるのに…。
君の温もりも感じない。
ただ見守る事しか…。
「…君なら…大丈夫…」
そう、僕が居なくても君ならきっと…。
時間が思い出に変えてくれる。
僕が居なくても…。
「…もう…逝かないと…」
時間の様だ。
イルミネーションの灯りに見送られ…。
end