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千分の一話噺

第556章 異世界アパート15


こっちも異世界《あっち》も衣替えの季節…。
こっちはまだ暑いけど、異世界《あっち》はもう少ししたら冬なのよね。
「…冬物買おうかな?」
「えっ?秋物でしょ」
ぽろっと呟いた事に涼子が反応した。
「あっ…そうよね…でも、ほら私寒がりだから…」
苦しい言い訳だ。
「綾子って寒がりだっけ?だったら田舎の彼氏に暖めてもらったら?
なんなら、私が暖めてあげても良いのよ?」
涼子ったらまた私をからかって遊んでる。
「遠慮します!」
「…だったら、ハロウィンパーティー用に衣装買いに行くから一緒にどう?」
日本の秋はすっかりハロウィンが秋祭りになっている。

「ハロウィンねぇ…」
考えてみれば、異世界《あっち》は毎日ハロウィンの様なもの…。
本物の魔女や獣人もいるし、秋の収穫祭には森でモンスター退治するとか言うし…。
探せば、吸血鬼《ドラキュラ》やカボチャのお化けみたいなモンスターもいるかも知れないわ。


異世界《グランロールス》に行くと、木々は紅葉し風が冷たい。
「うわぁ、やっぱりこっちはちょっと寒いわね」
ちょっとした上着が欲しいくらいだ。

ナタリーを誘ってショッピングする事にした。
「そうだ、ナタリーはモンスターって見た事あるの?」
「えっ?モンスター?
あるわよ」
ナタリーはあっさり答える。
「あ、あるの!?」
「もちろんよ、ない方が珍しいわよ?
…もしかして、アヤコって箱入りのお嬢様だった?」
ナタリーが笑って私の顔を覗き込んだ。
「やだな~、そんな事ないわよ」
私は改めて凄い世界にいるんだと思った。


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