第552章 政略
「20代の新総理大臣誕生!」
「若きカリスマ総理!」
「イケメンの最年少総理大臣!」
マスコミがこぞって囃し立てる。
それもそのはず、与党第一党の党首に28歳の毛利光一郎が選ばれたからだ。
「若すぎるだろ」
「顔だけの総理じゃね?」
「これで日本が変わるぞ!」
「高齢政治家はさっさと引っ込め!」
ネットでは賛否両論が飛び交い、否が応でも盛り上がっている。
「な、何で私がっ!?」
毛利光一郎は腰が抜けていた。
「君が一番若いからね
世間は若手を起用しろとうるさいんだよ
それで、とりあえず君に党首をやってもらう事になったから…よろしくね」
党の幹部に呼び出されたと思ったら、いきなり党首になれと言われた。
与党第一党の党首と言う事は、すなわち日本の総理大臣と言う事になる。
「いや、しかし…、私はまだ議員になったばかりですよ!
総理なんて荷が重すぎます!」
「ああ、君は神輿だから愛想笑いしてくれればいいよ
政治は政府と官僚で出来るからね」
毛利はこれが日本の政治なんだと痛感させられた。
かくして最年少総理大臣の誕生となった。
「ああ、そうだ…
君はまだ独身だそうだね
すぐ結婚する様に頼むよ
総理大臣にファストレディがいないのは様にならないからね
それに良い話題にもなる」
党の幹部から結婚相手を押し付けられた。
「新総理が結婚!」
世間はこの話題で持ち切りとなった。
「世間は新総理の話題で盛り上がっている…
今のうちに値上げラッシュを進めてしまえ!」
政府幹部はほくそ笑んだ。
end