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千分の一話噺

第549章 連休の過ごし方


「シルバーウィークねぇ…」
連休を増やして金を使わせる政府の政策だと思うと素直に喜ぶ気にならない。
…が、夏バテ気味の身体に休みは助かる。
「まあ、ゆっくり寝て休むさ」
俺に金を使わそうなんて百年早い。


「シルバーウィークよ!」
連休を増やして『もっと遊べ』なんて政府の粋な政策よね。
職場の人間関係で疲れてる私にはもってこいだわ。
「さあ、思いっきり遊ぶわよ!」
私はすぐに貯金を下ろしに行った。



このまるっきり正反対な二人、実は恋人同士だったりする。



「ねぇ連休はどうするの?」
彼女が尋ねる。
「…寝て過ごす」
彼が答えた。

「あのね、寝言は寝てから言ってね
何処に遊びへ行こうか?」
彼女は彼を急かした。
「…めんどくせぇな
金が掛からない所にしてくれよ」
彼の顔には諦めの色が伺える。

「はあ?…お金は使ってなんぼよ
死んだら使えないんだからね!」
当たり前の事だ。
「確かに死んだら使えないが、人間は死ぬ間際まで金が必要なんだ
だからある程度の蓄えは必要だろ」
一理ある。

「若いうちからそんな事言ってたら早死にするわよ」
これは彼女の理論だ。
「うるせぇ!長生きしてやるよ」
彼の願望だろう。


「じゃあ、何処に遊びへ行こうか?」
「お彼岸だから墓参りだな」
「シルバーだからって墓参り?」
「すぐ近くに遊園地があるだろ?」

なんだかんだ言って仲の良い二人であった。


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