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千分の一話噺

第546章 侵略


「はぁ…いい加減、休みたいな」
忙し過ぎて、ため息しか出ない。
もう何ヵ月も休みなく働いている。

原因不明の虫歯が急増していて、どこの歯医者も連日長蛇の列が出来ていた。
一本の虫歯の治療が終わると、すぐに隣の歯が虫歯になるという謎の現象が起きていた。

ネットでは『かいわれ大根現象』と騒がれている。
かいわれ大根の様に次から次へと虫歯が現れるからだ。
新型ウィルスじゃないかとも噂されているが定かではない。



「ふっ、地球人なんてデカいだけで大した事ないな
俺達に掛かれば大混乱じゃないか!」
「そりゃあそうだろ?僕達の文明より遥かに遅れてるんだからね」

そう、原因はこいつら、アンドロメダ星雲からやって来た侵略者ケポリン星人…。
一組のカップルを送り込み、原住民を絶滅させて繁殖していく。
「この腐蝕光線で地球人の歯を駄目すれば、すぐに絶滅するだろう
地球人には俺達は小さすぎて見えないからな」
「歯の治療はそれなりに出来る様だけど、口から栄養を取ってるなんて全然進化してないよね」
彼らはウィルスより遥かに小さい宇宙人。
「それに今時、女がいないと子孫が残せないなんて俺達に比べたら原始人以下だぜ」
「そうそう、性別なんて争いの元にしかならないんだから、どっちかに統一すれば良いのにね」
彼らの星は進化の過程で男性のみになっていた。

圧倒的な科学力で侵略した星は数知れない。
だが小さいが故に侵略には何千万年という途方もない時間が掛かる。


end
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