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千分の一話噺

第541章 不毛な…


インスタントラーメン戦争勃発!

今や生麺に迫る技術革新だけじゃなく、有名ラーメン店とのコラボや地方ならではの地元ラーメン店の味など千差万別のインスタントラーメンがある。
大手のN社やM社だけじゃなく、地方の小さなメーカーまでをも巻き込んだインスタントラーメン戦争だ。


生麺感覚だとか有名店だとかご当地だとか言ってるうちは良かった。
各メーカーの競争は激化し、限定品の応酬となって行った。

夏限定『冷やし中華』は当たり前、『冷やし担々麺』『冷やし豚骨』『冷やし味噌』等々、冷やし麺のオンパレードから始まった。
この辺りならまだ可愛い物だ。

「もっと夏らしい限定品はないのか?」
上層部から発破を掛けられた企画部はなりふり構わなくなった。
「夏と言えば何だ?
海、太陽、ゲリラ豪雨、スイカ、水着、かき氷、アイスクリーム…」
手当たり次第、名前を付けて売り出した。
麺に海藻を練り込んだ塩味の『海ラーメン』、麺に唐辛子を練り込んだ辛口『太陽ラーメン』、水着の形をした蒲鉾が入った『水着ラーメン』…。

「もっと他のメーカーが真似できない過激なラーメンはないのか?」
更に発破を掛けられる。
麺にスイカを練り込んだ塩味の『スイカラーメン』、かき氷のシロップをスープにした『かき氷ラーメン』、スープに対して麺が少ない『豪雨ラーメン』、ただ辛いだけの『酷暑ラーメン』、麺にイカスミを練り込んだ『真っ黒日焼けラーメン』…。

ここまで来ると消費者から見向きもされなくなりインスタントラーメン戦争は終戦を迎えた。


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