• テキストサイズ

千分の一話噺

第538章 明日は明日の風が吹く


プルル~♪プルル~♪
「はい?」
『待ち合わせはいつもの噴水の前ね!
遅れたら罰ゲームだからね!』
プッ…ツーツー…。
「えっ?…何?」

一方的に言いたい事を言われて電話が切れた。


「………誰?」

登録されていない電話番号に聞き慣れない声。
いつもの噴水にも心当たりはない。

プルル~♪プルル~♪
『あんた左利きだったわよね!?』
プッ…ツーツー…。

また一方的に切れた。
確かに俺は左利きだが、何でそれを知っているんだ?
知り合いが番号変えたのか?
しかし、声はどんなに頭の中を引っ掻き回しても出てこない。

プルル~♪プルル~♪
『水着も持って来なさいよ!』
「おい!ちょっ…」
プッ…ツーツー…。
「人の話し聞けよ!」

なんて勝手な奴だ。
噴水で待ち合わせて水着って何する気だ?
それに俺の左利きが何の関係がある?
分からない事だらけだ。

こっちから掛けるか?
しかし、新手の詐欺だったら洒落にもならない。
無視するに限るか?

プルル~♪プルル~♪プルル~♪プルル~♪プルル~♪…。

留守電にメッセージがあった。
『たこ焼きもするから、あんたタコ買ってきてね!
じゃあ、明日よろしく!』

…明日が怖い。


end
/ 1580ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp