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千分の一話噺

第535章  墓参り


お花に線香にお供え物…。
出掛ける準備を整える。

俺は家族を連れて田舎に向かう。
新型コロナの影響で二年ぶりの墓参りとなった。



「一年間、誰も来んとは全くけしからんっ!」
「おじいさん、仕方ないですよ
世間では新しい病気がまん延して出掛ける事が出来なかったんですから…」
「そんなことは分かっとる!」
「だったらそんなにイライラしなくても…
血圧上がりますよ」
「もう、死んでるんだ!血圧は関係ない!」
「はいはい…」



「…雑草だらけだな」
「仕方ないわよ、一年以上来てないんだから…」
「こんなの見たら親父はカンカンに怒るぞ」
「ママ、おじいちゃんに怒られるの?」
「そうよ、お墓を綺麗にしないとおじいちゃんが夢に出てきて怒られるわ」
「ぼくも?」
「一緒にお墓を綺麗にすれば、おじいちゃんとおばあちゃんが夢で誉めてくれるぞ」
「うん!ぼく、がんばる!」

俺達は草むしりして、墓石を洗って綺麗にしてから、花を生け、お供え物をし、線香を上げた。

その夜、息子は疲れたのかすぐに寝てしまった。
「…おじいちゃん、…おばあちゃん」
息子の寝言に…。
「本当に親父達の夢を見てるみたいだな」
「そうね、楽しそうな顔してるわ」
俺と妻は顔を見合わせて笑った。


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