第531章 時を超え…
新作ファミコンソフト!
『ドラゴンファンタジー スーパーブラザースの伝説』
今をときめく有名クリエイター達が集結!
こんな見出しがネットに躍る。
「何で今頃ファミコンソフト…?
ファミコン持ってる奴なんて、もういないだろ?」
俺の言葉に娘が…。
「ファミコンって何?」
まだ五歳の娘が知らないのも当たり前だ。
「みーちゃんが生まれるずーっと前のゲーム機さ」
そういえば、実家にまだ残ってるかも知れない。
次の休み、家族で実家に帰った。
車で2時間程度だから、ちょっとしたドライブ感覚だ。
実家に着くと親父が迎えに出てきた。
相変わらず下駄をカランコロンと鳴らしている。
「ジィジ、それ何?」
娘が親父の足を指差した。
「これは下駄って言う履き物だよ」
「みーもカランコロンしたい!」
「みーちゃんにはちょっと早いな」
親父は娘の頭を撫でて家に入った。
「しかし、いきなり帰ってくるなんて、どうしたんだ?」
親父は首を傾げた。
「最近、忙しくて帰ってなかっただろ?」
さすがにファミコン探しに来たとは言えない。
「スイカ、切れたわよ」
すぐにお袋が冷えたスイカと麦茶を持ってきた。
「バァバ!スイカ!」
娘は大喜びだ。
「お義母さん、今日は料理手伝いますよ」
妻もお袋と仲が良く、料理しながら親父や俺の愚痴を言い合ってる様だ。
妻と娘がスイカを食べてる間、俺は自分の部屋に行きファミコンを探した。
「確かこの中に…」
プレスト2、セガサターン、スーファミ…。
古いゲーム機がいろいろ出てくる。
「あった!」
最後にファミコンとソフトが幾つか出てきた。
早速部屋にあるテレビに繋いでみると…。
end