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千分の一話噺

第526章 異世界アパート13


「もうすぐ梅雨明け…
いよいよ真夏ね」
「今年も暑いんだろうね」
会社で同僚の涼子とそんな話をしていた。
(向こう《グランロールス》はまだ春だけど、梅雨はないし夏と言っても涼しいからね)
「…早く週末にならないかな?」
つい本音が漏れてしまった。

「何?綾子もついにデートか?」
涼子はニヤニヤと私の顔を覗き込む。
「何でそうなるのよ」
「うら若き乙女が週末を待ち焦がれるなんて男しかないでしょ?」
「違うわよ!」
「はあ…綾子ならモテると思うんだけどねぇ~
そうだ、もうすぐハーフタイムデーよね
今年の後半は綾子の彼氏作りに専念しよう!」
「勝手に決めないで!
…そういう涼子はどうなのよ?」
「私?私には綾子がいるから男はいらない」
この娘はどこまで本音なんだか分からないわね。


週末は家事を片付け異世界へ…。
そういえば、ナタリーって彼氏とかいるのかな?
一年以上経つけど聞いた事なかったわ。
でも、あれだけ美人なんだからいて当たり前かな…。

「おはよう、アヤコ!」
やっぱり気になる。
「ねぇナタリー…
彼氏とかいるの?」
一瞬でナタリーの動きが止まった。
「…」
「えっ?…ナタリー?」
もしかして地雷踏んだ?
「…ゴメン、ちょっと用事思い出したわ」
ナタリーは足早に去って行った。

この後、妹のカタリナに聞いたら、私がこっち《グランロールス》に来るちょっと前に大失恋していたそうだ。
今度、美味しいお土産持って来てあげよう…。


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