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千分の一話噺

第525章 誰が幸せになれると言った!?


『Junebride』
六月の花嫁は幸せになれると言う…。
「…って事は、俺も幸せになれるんだよな!」
そう俺は花婿、嫁さんが幸せになるなら俺も幸せになるのは当たり前だろ。


そもそも『Junebride』って何だよ?
どうせ、どこぞの企業が梅雨時の結婚式は少ないから外国の真似させようと持って来たんだろ?
日本人にはまるっきり関係ない話だが、それで彼女が喜ぶならそれはそれで良しとしよう。

しかし、何で花嫁限定なんだ。
結婚は二人で行うもんなんだから花嫁だけってのは不公平だ。
これがもし花婿限定だったらどうなる?
やれ女性差別だとか、やれ女性蔑視だとか言われるんだろ?
理不尽にも程がある。

俺は声を大にして断固抗議する。
「Junebrideは花嫁だけのもんじゃねぇ!
大体、花嫁だけ幸せの家庭なんておかしいだろ
花婿も一緒に幸せになるのが一番に決まってるんだ!」
俺は拳を突き上げた。


披露宴会場は大歓声が起こり、拍手喝采となった。


ドスッ!
「…うっ!」
悦に浸っていた俺の横腹に嫁さんの肘鉄が入った。
「変な挨拶するなって言ったわよね!」
嫁さんのひきつった笑顔のこめかみに浮かんだ血管がピクピクしている。


これを機に二度と彼女に逆らわないと誓った俺は幸せな生涯を送る事が出来た。


end
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