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千分の一話噺

第509章 魚は鶏になった夢を見た


『鶏にコロナ感染が広がり、卵不足で大幅な値上がりとなる!』

ネットで流れたこのニュースに踊らされ、スーパーの売り場から卵が消えた。
ちょっと考えればフェイクと分かるはずなのに、我先に卵を買い占める人々…。
その為、本当に卵不足となり値上がりしてしまった。

こうなると買い占めた人達より、フェイクニュースを流した犯人探しが始まる。
すぐに特定され、すぐに炎上する。
犯人が分かったところで卵不足はしばらく続き、もちろん高値も続く。

うちは卵料理専門店。
「ハムエッグ定食、900円⇒1900円」
「だし巻き玉子、600円⇒1600円」
「オムレツ定食、1200円⇒2500円」
「卵かけご飯、500円⇒1300円」
「味玉一個、100円⇒900円」
卵の値上がりを考えると、メニューをこの値段にしないと赤字になってしまう。
しかし、こんな値段じゃあ客なんか寄り付かない。
ただでさえ時短営業で売り上げ下がってるのに、これじゃあ商売上がったりだ。

そこで何か代替えはないか考えた。
卵料理専門なんだから、鶏卵だけじゃなくても良いはず…。
食べる卵と言えば、イクラ、タラコ、明太子などの魚の卵だ。
イクラ丼や焼きタラコ定食、明太子茶漬けくらいなら何とかなりそうだ。
「これならイケる!」
早速メニューを一新して、新たな卵料理専門店に生まれ変わった。

『魚にコロナ感染が広がり、魚卵不足で大幅な値上がりとなる!』

またフェイクニュースだ。
例に漏れず魚卵はなくなり価格が高騰。
「いい加減にしろっ!」
突っ込むしかない。


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