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千分の一話噺

第504章 異世界アパート11


久しぶりに実家の弟から連絡が着た。
「姉貴、前にサボテン育ててたじゃん?
やっぱり陽当たりの良い所の方が良いんだよな?」
何かと思えば…。
「そりゃあ植物だから陽に当てないとダメだよ
何?あんたがサボテン育てるの?」
どう考えても弟のイメージと合わない。
「俺じゃねぇよ、親父が何かで貰ってきたんだよ
それより、たまには帰って来いよ
親父が心配し過ぎて倒れそうだぜ」
そう言えば、引っ越してから帰ってなかった。
実家より異世界《グランロールス》の方が楽しいから忘れてた。
「ほら、今は帰れないじゃない?
コロナが落ち着いたら帰るわよ」
そう言い訳して電話を切った。
「…サボテンかぁ」


早速、異世界へ行って…
「サボテンってあるの?」
ナタリーに聞いてみた。
「サボテン?って何?」
さすがにサボテン自体はなかったが、いろいろ説明すると似た植物はあるようだ。
「それなら陸珊瑚が近いかも…」
「りくさんご?珊瑚って海にあるやつ?」
意外な名前が出てきた。
「その珊瑚に形が似てるの…
表面には細かいトゲが生えてるそうよ」
「それってこの辺にも生えてるの?」
ナタリーも実物は見たことないらしい。
「冒険者から聞いた話だと、南の国の精霊の森って呼ばれる場所に生えてるらしいわよ」
「精霊がいるの!?」
私はテンションが上がった。
「そうよ、豚みたいな顔した強暴な精霊ピグギランが…」
「えっ?豚顔で強暴な精霊?」
「森から出る事はないらしいけど、森の中に入ったら襲われるそうよ」
そんな危ない精霊もいるんだ。

異世界《グランロールス》の精霊は、私が想像した精霊とはだいぶ違うようだ。
私は絶対に町から出たくないと思った。


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