妖精の夢~Another Story~【気象系BL】
第5章 Green fairy is natural
そして・・・・
ガシャーン!!!
棚が脆く崩れてしまった。
最悪な事に、たった一つしかないドアを塞いでしまったのだ。
外に助けを求めようとも、
妖精だからどうしようもなく
おまけに、人通りがほとんどない場所だから、助けなんか来なかった。
智「あ"ーもう、まー君のバカバカバカ!!
僕は言ったよね!!触ると危ないよって・・」
雅「ごめんなさい・・・」
智「それより、これからどうするのさぁ・・」
無駄に時間だけが過ぎていった
暗く、少しカビ臭い空間
窓もなく、電気すら消されている部屋。
一つだけあるドアも、悲しくも固く閉ざされている
二人は絶望的だった。
閉園を告げるメロディが、虚しく聞こえてくる。
グゥ〜…
雅紀「お腹すいたね・・」
智「そうだね…」
雅紀「さとちゃん・・なんか持って無いの?
出掛ける時は、お菓子の一つでも持ってるはずだよ・・」
智「・・誰のせいだと思ってるの??」
雅紀「俺だけどさぁ~ お菓子を持って無いのはさとちゃんが悪い・・」
雅紀は不貞腐ったように言った。
智「そういう問題?・・・
ところで、僕らがここにいること…
誰も気付かなかったらどうしよ…」
雅「ま、とりあえず朝になれば、
誰かが点検しに来ると思うけど・・」
智「朝まで、このままなの…?」
智はわざとらしいくらい大きな溜め息をついた。
夕暮れだった空も、既に日は沈み、明かり無しでは部屋の形も判断出来なくなっている。
きっと和也と翔は心配しているだろうなぁ・・
行方不明になったって騒いでるかも・・
早く探しに来てほしいなぁ・・
智は膝を抱えながら思った。
それにしても、こんなところに閉じ込められれば、
自ずと寂しさと不安が沸き上がってくる。
そして心なしか、少し寒い。
夜になれば肌寒い気温となる。
しかもここは倉庫
余計に寒さが伝わってき、智は躰を縮めたのだった。
.