第3章 予定
仮眠を取るため、制服から着替えている最中
鞄からスマホロトムがふよふよと出て来て、画面を見ろと言わんばかりにぐるぐると周りを回る
「ど、どうしたのロトム……画面見せてくれる?」
ピタリと止まり、スッと画面を表示してくれた
そこには20件ほどメッセージが届いていた。
「はぁ……」
20件中18件が全て同じ人ということは、確実に親だ。
憂鬱になりながら他の2件が誰なのか見てみると、キバナさんだった。
ああ、どっちも心臓に良くない!
「ありがとうロトム。連続して来てたから心配してくれたのね」
褒められて嬉しそうにしているスマホロトムを見てなんとか元気を補充する。
ああ、メッセージ見たくない……とりあえず寝たいし、早く着替えよう。
そしてそのまま私はメッセージを見ることなく、眠ってしまった
ー
次の日の朝
24時間勤務だったので朝帰りをした私は、着替えて寝室のベッドに倒れ込んだ。
ついでにポケモンたちもボールから出して自由にさせた
「あー………あ!!」
私はメッセージを思い出し、スマホロトムを呼んだ
20件だったのが56件に増えていた。
ああ、もう本当に面倒くさい
親からのを見てみると毎月送られてくる内容だった。
恋人、仕送り、ポケモン等々……
とりあえず適当に答えておく。
このメッセージが来ると私も焦りが出てしまうので正直やめてほしい……
「ニャパー」
「ロ〜」
ポケモンたちが遊んでいるのを見ながら、キバナさんからのメッセージを開く。こっちもこっちで心臓に良くない
内容は、明日明後日休みだから、そっちの予定合えば食事でも行かないかということだった。
「再会してからそんな経ってないのに早過ぎませんか……」
思わず苦笑をして、再会できて嬉しい気持ちが私だけじゃないのかな、なんて。
おこがましいかもしれないけれど、今だけはそう思ってもいい……よね…
連絡を待たせているので、急いで返事を考える。
明日なら平気ですよ
何時からにしますか?
ー
その後数回やり取りをして時刻と場所が決まった。
スマホロトムから手を離し、ベッドに倒れて脱力する。ああ、やっぱり連絡してる間は心臓に良くないな
急遽入った予定に対して不安を抱きながらも、胸が高鳴ってしまう自分にどうしようもないな、と呆れた