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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第13章 タタリネコ







「……………っ………」


「平気?」


「…………はい」



彼の腕を力一杯掴みながらもワクワクを糧に前進した私


視界の端に見える川はやはり何度見ても美しい色を湛えているけれど残念ながら写真撮影をする余裕は無く

二本の吊り橋を渡り無事仙樽滝へ到着した私達は再びマイナスイオンたっぷりに流れ落ちる美しい滝を堪能している


人気も無く自然の中に二人きりで耳に響くは激しくも涼やかな水の音

目にも鮮やかなターコイズブルーの水流は戯れる様に揺れて

繁る木々に囲まれたこの場所は本当にひっそりと
それでいて堂々と自然の息吹きを感じさせた



心地好い無言を埋める滝音の狭間で彼を見上げれば黒い髪が風に靡く

どこを取っても端正な横顔に浮かぶ無感動な瞳は止めどなく流れる水面を見据えて

何を考え、何を感じているのかわからない表情のまま



「この滝はいつ出来たものなんだろう。」



なんて呟いた



「……さぁ……ずっと昔でしょうね」



彼は変わらぬ自然を前にその歴史に思いを馳せていたのだろうか


感慨深く染みた声


途端に儚く見えた表情に胸がぎゅっとして私はずっと彼ばかり見ていた





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