ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第6章 セミが泣く
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私達はベランダに並んでかき氷を食べている
私はイチゴ練乳、彼はメロンを選んだ
シャリシャリと夏の音がして口の中で溶ける
「やっぱりイチゴには練乳ですねー美味しい」
「あっそ。」
「メロン美味しいですか?」
「………メロンの味がしない。」
「そうなんですか?メロンの匂いしますけど」
「匂いはメロンだけど味は違う。」
「んー……メロンパン的な事ですかね?ほんまはメロン入ってへんやろうし」
「……少し違う気がするけどそんな感じ。」
狭いベランダで彼を見詰めれば彼も此方に視線を向けた
少しドキドキしながらも見詰め合った私達だが
突然彼が舌をペロリと出したので脈拍が急激に上昇してそのまま気絶しそうに成ってしまった
普段は生きているのか疑わしいくらいに淡白で無機質なのに途端に溢れる色香は尋常では無い
少し悪戯に細められた双眼の妖艶さも相まっていると言うのに更にかき氷のシロップに少し色付いた舌が可愛さまで演出してしまうなんて…………
………この人は一体どこまで罪深い人なのだろう………
そんな事を走馬灯の様に考えていた一時