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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第27章 マタニティーブルー







07月のある日




私は潮風に吹かれながら遠い眼下の海原をぼんやり眺めていた



彼の世界へやって来て一週間が過ぎている

此方の世界では、やはり永住場所の無い私達

最初にやって来たのはパドキア共和国の外れ、海辺に面するリゾート地で水上レジャーが盛んらしく丁度シーズンの今は見下ろせば無数のパラソルが砂浜狭しと咲いていた

彼が私達にと選んでくれたのはそんなリゾート地の中でも最も立派なホテルのペントハウス
何処までも続く空と海の青を一辺に楽しめる屋外屋内両プールと実に広々としたジャグジー付きの豪華絢爛な部屋だった

室内設備もリゾート地らしく涼やかなブルーやホワイトを基調にしながらも細部迄行き届いた装飾は流石の重厚感を漂わせていて

楽し気なハンモックですら只呑気では無く何処と無く高貴な感じだ


そして私は現在、贅沢にも程があるアパートの部屋3つ分はありそうな雄大なテラスを徘徊している訳である


幸いな事にスクスクと育っている愛しのマイベイビーと対面する為に運動不足じゃいけないと数年間もダラけ切っていた身体を動かしている訳だが………

如何せん息苦しい………!!


ふぅっと息を吐き出しながらテラスチェアに腰掛ければジワリと汗が背中を流れた


どれだけ無心で徘徊していたのだろう…………


すっかり癖になった手付きで重たいお腹を撫でてみる

只今妊娠9ヶ月、お腹はスイカの様に大きくなった


私は同じ妊娠さんの中でも幸い体調も安定している方なので腰痛や音速の様に迫る尿意以外は特に目立った事も無いけれど

何せ初めての経験が目にも見える心身の変化と共に強制的に進むのだ

我が子の成長を本当にこの身に感じて幸せな気分になるけれど

刻一刻と育まれる母の自覚と共に、何も無い部屋でじっとしていると不安で憂鬱な気分になってしまう



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